毎年恒例になりました長野での食養生体験ツアー、今年も行ってまいりました。
河川の氾濫をはじめ、各地で大きな爪痕を残すほどの大雨が続いていたので開催自体が危ぶまれましたが、当日はご覧の通りの晴天に恵まれました。
宿泊先はいつもお世話になっている喜源治さん。古民家の囲炉裏がいい雰囲気!
喜源治さんの畑で収穫させてもらいました。
こちらはミョウガ。タケノコのような形で地面から花が咲いているのですが、そこにあります。
ピンぼけしちゃってますが、これはフルーツトマト。本当に甘くてフルーティー! ひそかに毎年楽しみにしています。
これはササゲ。茹でて食べるとおいしいですよね。
きゅうり。収穫したてをかじりました!
喜源治の小松さんがキクイモを掘っています。
耳慣れないかもしれませんが、小さなジャガイモだと思っていただければだいたい合ってます。
これが採っても採ってもどんどん育つんだとか。
今年は失敗しちゃったという小豆。参加者に貴重な種をいただきました。
畑の畦道で野草を検分しました。何度か開催していますが、畑で野菜以外を収穫しに出たのは初めてです。
葛(くず)の葉っぱを発見!でも残念ながらあまりおいしくないとか…。
ヨモギを発見!つまみ食いしたところ、爽やかな味でなかなか…。と思ったら、後味がかなーり苦かったです。旬はやはり春なんだそう。
他に、なぜかミントもあぜ道に生えていました。
赤っぽいツタ状の植物が見えますでしょうか。これが今日のメイン雑草?となるスベリヒユ。畑にたくさん生えています。
収穫でたっぷり体を動かしたので、近所の温泉まで足を運びました。
眺めの良い露天風呂があって最高でした!(お見せできないのが残念です)
毎回恒例となっております調理大会です。
事前にレシピは考えていませんので、収穫した野菜と野草を参加者みなさんで思い思いに調理します。
これは味噌でもぬかでもなく、辻野先生が自宅で作っているもろみ。これをどうするかは、下の動画を再生してみてください。
大量に作ってしまったので、実はまだまだたくさんありました。
辻野先生が持参してくれた大量の日本酒を飲みつつ、夜は更けていきます…。
翌朝。日が昇りきる前の時間に起きてお散歩に出かけます。
ミズヒキ。裏から見ると白く、昔はこれでご祝儀袋を結んでいたとか。
またミントを発見。すごい繁殖力です。
道端で人に踏まれている雑草。食べてみるとなんと、生のマッシュルームの味が!普通においしいです。
太陽食。太陽の方向を向いて深呼吸しました。最初は息を吐いて体内に停滞していた気を出し、最後に息を吸って新鮮な太陽の気を取り入れます。
朝顔とコスモスが道端に咲いてます。
クローバーでしょうか。食べるとレモンのような酸っぱさがあります。意外とイケる…!
朝ごはんには喜源治の小松さんが炊いてくださった酵素玄米をいただきました。もっちりしていておいしい!
小松さん。松本で精力的に活動されています。今年もお世話になりました!
今回のメインである大久保さんの講義。残念ながら保健所の絡みで、気軽には醸造所を見学できないのでお話だけ伺いました。
案外べらんめぇ口調でお話しされる職人さんなのですが、そのあたりも再現しつつ概略をご紹介します。
「日本の醸造技術は世界トップクラスだったんだよ。ところが我々世代は戦争で古来の方式が中断してね。
穀物で調味料はダメだと占領軍に言われ、塩酸で作ってた。新式1号、新式2号って言ってね。塩酸で加工するけどいい醤油だよ。
今じゃ塩酸じゃなくアミノ酸液というものが使われてる。焼肉のタレなんかに入ってるな。混合醸造という名前になってる。
でも今は本醸造の醤油が主力で、標準、特選などの等級があるんだよ。でもそれで醤油を買う人はいないね。
アミノ酸の形になってるアミノ体窒素が多いのがうまい。それを人為的に加えたものは純化しない。
大手は適温醸造で四ヶ月で作るけど、うちは松本の気候でほったらかしの天然醸造。
成分的にはあまり違いが出ないよ。ただ早く作ったものは不思議と早く劣化するね。
ワインみたいな赤褐色がいい醤油だと思ってる。
ちなみに色は18番以下が濃口。22番以上が薄口。46番くらいから白醤油。
濃口と薄口は原料は一緒だよ。
塩が少ない醤油もあるけど、醤油は塩分気にする必要ない。だって飲まねえじゃん。
塩だって醤油だって相手にあわせて使う量を調整するだろ。それで良いんだよ。
成分表示で醤油を見るなら、材料構成が少ないものが一番良い。
たんぱく加水分解はなに分解してるか分からない。けどうまい。
醤油のうまさの指標にもなる窒素が7.8も入ってるからなんにでも入ってる。
添加物でなく食品だから無添加うたえるしね。
うちは大豆、小麦、食塩、米。それにアルコールをたらして酵母を殺す
脱脂加工大豆 窒素7.8あるから醤油の原料として有利。標準品には使わざるを得ない。
一級品には使えないけどな。
味一年 香り二年 色三年ってね。、
色は三年過ぎると濃くなりすぎるからもろみと相談しつつ作る。まったく同じものはできない。
それに舌が健康でないと品質が標準を保てない。
人は「こだわってるね」と言うが、こだわってるつもりはねえよ。
豆を作ってくれてる青森の農家さんに「こんないい豆で醤油かい?」と言われるけどね。
ちなみに成分表示の大豆(遺伝子組み換えでない)は外国産の豆。国産には書いてない。
長野に600あった醤油屋は37軒に減っちまった。そのうち、今でも自分で全部作ってるのは10~12軒。
醤油買う時は販売者か製造者か見て買うべきだね」
乱文の上、一部記憶違いがあったらごめんなさい!
でもおおむねこの通りです。
そんな大久保醸造さんの醤油をおいしくいただく方法がお茶漬け!
ご飯に鰹節をのせ、お湯と醤油をかけたシンプルなもの。これが衝撃のうまさでした。
講義でいただいたのは大久保醸造の紫大尽という薄口醤油。大豆(遺伝子組み換えでない)の表記のあるものは外国産らしいですよ。
講義はお昼に終わったのですが、当然のごとく大久保醸造さんのお醤油が欲しくなったので、全員で現場に直行しました。
ネット販売はありませんが、電話通販でも直接買えるようです。気になる方は調べてみてください!