熊野古道「春の摘み草の会」 (後半)

2日目の朝は6時から朝の散歩です。
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宿から周辺を散策し、近くの神社にて食養生恒例の『太陽食』をしました。
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食養生では、何を食べるかよりも、規則正しい生活をして、毎朝朝日を浴びることが、健康になる為は重要という考えです。私たちは、口からの栄養だけでなく、自然界のありとあらゆる要素からエネルギーを頂いているんですね♪

朝食後、会場を移して料理教室開始です。

【春の摘み草ワークショップ第三部:摘み草料理教室】
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下処理の説明から。

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固い部分を取って、刻んで、すりつぶして…
この下処理が、料理を美味しくします。

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楽しそう。

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9時から始まり、調理すること3時間半。
豪華な摘み草料理が完成しました。
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・セリの炊き込みご飯
・ヨモギの味噌汁
・カラスノエンドウ、ノビル、ヨモギ、ユキノシタの天ぷら
・ノカンゾウとノビルの酢みそ和え
・ヨモギ胡麻豆腐
・アサツキの和え物

みどり尽くし!!!笑
旬の野草とシンプルで美味しい調味料で、こんなに素敵な料理が完成しました。
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自然の恵みに感謝し、皆で美味しく頂きました♪

今回はワークショップの為多くの野草を頂きましたが、普段からこの量を食べてはいけません。『過ぎたるは及ばざるが如し』です。
その土地に生える野草を(身土不二)出ている時期に(旬の物を)葉から根まで頂く(一物全体)食べていい量は人それぞれ。自分のからだと相談して決めましょう♪
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野生の植物は、その身を守り子孫を残すため毒を持っています。それを私たちは、それをアクと呼びます。正しく調理すれば、そのアクも中和され、私たちの身体に溜まった毒を出してくれる働きがあります。ちょっと調理が大変な野草たち。でも、そのひと手間が、愛であり、料理を美味しく、食べる人が健康になる秘訣ですね♪


【番外編:霧の郷たかはら】
今回お世話になった旅館、霧の郷たかはら。おもてなしもさることながら、身土不二の観点からもとても美味しい料理の数々を提供して頂きました。
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前菜は近くで取れた山菜。朝採りの竹の子の和え物。地元の豆腐で作った揚げ出し豆腐。春のお野菜などなど。
ハレの日の食事を、みんなで美味しく頂きました。心も身体も大満足♪ごちそうさまでした。


【まとめ】
今回のワークショップは『体感すること』がテーマでした。現場に赴き自らの手で野草を摘むこと。それを手間暇かけて調理すること。ルーシーさんや地元の方に教えてもらいながら知識を、知恵として、自分の中に落とし込む作業。
分からないことはネットで調べればすぐに見つかる時代。そこで得た知識は、本当に自分のものになっているでしょうか?
人は、書として記録としては残すようになった一方、体感として記憶に残すことを忘れてしまった、とルーシーさん。
親から子へ、生活の中で、代々語り継がれてきた知恵。その土地に住む人が、その土地に伝わる文化を伝承する。それが今、失われかけています。私たちの代がそれを受け継ぎ、語り継がなければ、本当に終わってしまう。
去年の食養生ワークショップで、大久保さんも同じことを仰っていました。
山々に囲まれた中辺路にて、自然に癒され、春の味覚を堪能し、大切なことに改めて氣づかされた2日間でした。今回このような機会を与えて下さったルーシーさん、地元の皆さま、参加頂いた皆さまに心より感謝を申し上げます。
日本食事療法士協会では、これからも体験型のワークショップをどんどんやっていく予定です。何にも代え難い貴重な体験や、素敵な出逢いがありますので、今後もご注目ください。
最後に私事ですが、あれから絶好調ならぬ”絶好腸”の日々が続いております。春の野草、とっても楽しく、そして美味しいです。あなたのいつも歩いている道にも、ご馳走が拡がっているかも♪
次は秋のキノコ狩り、また皆さまにお逢いできるのを楽しみにしております。
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桜満開の和歌山県田辺にて。

(レポーター:食養生コーディネーター上杉龍矢)